VoiceOverでLINEマンガ
墨字や画像から情報を得るための iPhone 用ショートカットの応用編です。
目次
1. LINEマンガを VoiceOver 環境で読もうとする際の問題点
LINEマンガには2種類の形式の作品がある。
1つの形式は、1ページずつ表示され、横スワイプか横端タップでページをめくって読み進むように作られている。この形式は「ヨコヨミ」と呼ばれている。
VoiceOver 環境で LINEマンガのヨコヨミ形式の作品を開いた場合、1本指トリプルタップ(デフォルトで「項目を長押し」アクションに割り当てられている)をするとページをめくることができる。 これができれば、「スクショ共有」ショートカットで Be my Eyes の画像説明を聞きながら読み進むことができる。
もう1つの形式は、縦長の1枚画像でできていて、縦にスクロールして上から下へ読み進むように作られている。この形式は「タテヨミ」と呼ばれている。
VoiveOver 環境で LINEマンガのタテヨミ形式の作品を開くと、いきなり作品の最下部に飛んで、そこにある文字にフォーカスする。
画面上半分を4本指タップ(デフォルトで「画面上の最初の項目を選択」アクションに割り当てられている)しても、VoiceOverでフォーカス可能な最初の項目が作品の最下部の下にあるので、作品上部に飛ぶことができない。
作品を開いた後、それを読み始めるために3本指下方スワイプで100回以上スクロールして作品冒頭にたどり着くという方法は、マンガを読むための労力として現実的ではない。
ヨコヨミ作品にはタテヨミ表示に変更するボタンがついているが、タテヨミ作品にはヨコヨミ表示に変更する手段がない。
本来、ウェブサイトやアプリの制作側が WCAG を考慮するべきだが、当面の間は読者側で工夫をするしかない。
最も現実的な工夫は、 LINEマンガ 以外の手段で読める作品については、そちらを利用することだ。
LINEマンガ独占配信の作品については、以下の工夫が参考になるかもしれない。他のアイディアがあればメールで教えてください。
2. LINEマンガのタテヨミ作品を VoiceOver 環境で読む方法
ここに示す方法では、上端まで一気にスクロールするアクションに、1つのジェスチャを割り当てることによって、作品冒頭を表示する。
上端に飛ぶアクションに割り当てるジェスチャとして直感的なものは、4本指下方スワイプだろう。 このジェスチャはデフォルトで「Siri にタイプ入力」というアクションに割り当てられている。 割り当てを変更するには、 「設定>アクセシビリティ>VoiceOver>コマンド>タッチジェスチャ>スワイプ:4本指>4本指で下にスワイプ」のジェスチャを選択し、 これに対するアクションとして「上端までスクロール」を選択する。
どうしても Siri にタイプ入力したい VoiceOver 利用者は、デフォルトで空いている「4本指上方スワイプ」を「上端までスクロール」に割り当てると良い。
また、2本指回転が苦手な利用者は、4本指上下スワイプを「前のローター」「次のローター」に割り当てているかもしれないが、ローターは片周りでも一周できるので、4本指下方スワイプをローターから外しても大きな支障はないと思われる。
以上の設定で作品冒頭に飛ぶ手段を得る。
また、「スクショ共有」ショートカットを利用できるようにしておく。
これで準備完了。
読み進む際には3本指上方スワイプでスクロールする。 1回のスクロールで必ずしも1ページの範囲を進むわけではないので、スクショ共有する範囲を正しく切り取れないのがもどかしいが、仕方ない。
読む手順は以下のとおり。
- LINEマンガでタテヨミ作品を開く。
- 4本指下方スワイプ(あるいはそれ以外の「上端までスクロール」に割り当てたジェスチャ)で作品上端に飛ぶ。
- 「スクショ共有」ショートカットで Be my Eyes の画像説明を聞き、終わったらホームに戻る操作で LINEマンガに戻る。
- 3本指上方スワイプでスクロールする。
- 3と4を繰り返して読み進む。