視覚や識字に関して不便がある人も、画像から情報を得られるようにする iPhone 用ショートカット

目次

1. TTS (Text-to-Speech, テキスト読み上げ機能) が無効な電子書籍を読めるようにする

1冊まるごとOCRをかけるのではなく、表示されたページごとに操作して読み進む。晴眼者が本を読むのとほぼ同じペースで読むことができる。

以下の3種類のうち、1.1は1ページまるごとを休まず読み進むだけなので、流し読みに適している。1.2と1.3はテキストが残るので、勉強、研究、調べものなどに適している。

また、これらのショートカットでは、読み上げ音声として Siri(声2) を指定している。 Kyoko など他の音声にしたり、読み上げの速さを変えたりするには、「ショートカット」アプリを開き、これらのショートカットを編集して音声の設定を変更する必要がある。

1.1. 画面から読み上げ

TTS無効な電子書籍を読む際、現在表示されているページのスクリーンショットを取り、そこからテキストを抽出し、それを読み上げる。
テキストは残らず、スクリーンショットの画像も破棄される。

準備

「画面から読み上げ」のショートカットを iPhone にダウンロードし、 iPhone の設定>アクセシビリティ>タッチ>背面タップ>ダブルタップまたはトリプルタップ に当てはめると良い。

あるいは、タッチ>AssistiveTouch をオンにして良ければ、その最上位メニューに入れておく。 AssistiveTouch のボタンが文字を隠さないように、ページ面のマージンに入りそうな下端に置いたり、可能であれば待機状態時の不透明度を下げたりすると良い。

使い方

電子書籍を開き、1つのページを開いた状態で、背面タップか AssistiveTouch によって起動する。

読み上げの途中でやめるには、画面上端の中央に出ている「ボタン」をタップ(Voice Over では選択してダブルタップまたはスプリットタップ)。

このショートカットを Siri で呼び出すのはお勧めしない。なぜなら、 Siri が応答するときに現れる虹色の丸がページの文字を隠す恐れがあるから。

1.2. 画面から文字をメモ

TTS無効な電子書籍を読む際、現在表示されているページのスクリーンショットを取り、そこからテキストを抽出し、それをメモとして記録し、読み上げもする。
テキストを iPhone や Mac でじっくり読み返したり、テキスト内の語句について検索したりすることを想定している。スクリーンショットの画像は破棄される。

準備

iPhone の「メモ」アプリで、「図書」というフォルダを作っておく。抽出したテキストはその中に1件のメモとして保存される。各ページの1行目が各メモのタイトルになる。

「画面から文字をメモ」のショートカットを iPhone にダウンロードし、 iPhone の設定>アクセシビリティ>タッチ>背面タップ>ダブルタップまたはトリプルタップ に当てはめると良い。

あるいは、タッチ>AssistiveTouch をオンにして良ければ、その最上位メニューに入れておく。 AssistiveTouch のボタンが文字を隠さないように、ページ面のマージンに入りそうな下端に置いたり、可能であれば待機状態時の不透明度を下げたりすると良い。

使い方

電子書籍を開き、1つのページを開いた状態で、背面タップか AssistiveTouch によって起動する。

読み上げの途中でやめるには、画面上端の中央に出ている「ボタン」をタップ(Voice Over では選択してダブルタップまたはスプリットタップ)。読み上げの途中でやめてもテキストはすでにメモに保存されているはず。

このショートカットを Siri で呼び出すのはお勧めしない。なぜなら、 Siri が応答するときに現れる虹色の丸がページの文字を隠す恐れがあるから。

1.3. 画面から文字をメール

TTS無効な電子書籍を読む際、現在表示されているページのスクリーンショットを取り、そこからテキストを抽出し、それをメール本文として自分に送信し、読み上げもする。
パソコンのメールで受け取ったテキストをじっくり読み返したり、テキスト内の語句について検索したりすることを想定している。スクリーンショットの画像は破棄される。

準備

このショートカットはテンプレートであり、使用者が自分のメールアドレスをショートカット内に書き込むことによって完成する。

「画面から文字をメール」のショートカットを iPhone にダウンロードし、「ショートカット」アプリで「画面から文字をメール」ショートカットの右上の3点マークを開いて編集画面に入る。
「宛先」欄に自分が受け取りたいメールアドレスを記入。
さらに「という件名で送信」のあとにある>のマークを開き、送信元欄の「毎回尋ねる」という変数を消去し、自分の iPhone のメールアドレスを選択する。これで編集完了。

このショートカットを iPhone の設定>アクセシビリティ>タッチ>背面タップ>ダブルタップまたはトリプルタップ に当てはめると良い。

あるいは、タッチ>AssistiveTouch をオンにして良ければ、その最上位メニューに入れておく。 AssistiveTouch のボタンが文字を隠さないように、ページ面のマージンに入りそうな下端に置いたり、可能であれば待機状態時の不透明度を下げたりすると良い。

使い方

電子書籍を開き、1つのページを開いた状態で、背面タップか AssistiveTouch によって起動する。

読み上げの途中でやめるには、画面上端の中央に出ている「ボタン」をタップ(Voice Over では選択してダブルタップまたはスプリットタップ)。読み上げの途中でやめてもテキストはすでにメール送信されているはず。

このショートカットを Siri で呼び出すのはお勧めしない。なぜなら、 Siri が応答するときに現れる虹色の丸がページの文字を隠す恐れがあるから。

2. 図表や写真等の代替テキストが付いていない電子書籍等を読む際に、図表や写真等から情報を得る

2.1. スクショ共有

現在表示されている電子書籍のページのスクリーンショットを取って Be My Eyes を通して OpenAI の GPT-4 に解析させ 、ページ内の図表や写真についての説明を得ることを想定しているが、共有先を選ぶのは毎回手動。

このショートカットを VoiceOver で LINEマンガのタテヨミ作品を読むために利用するには、追加の設定が必要。詳細はこのリンク先ページを参照。

準備

iPhone に Be My Eyes をインストールし、「視覚補助が必要」なユーザーとして登録しておく。

「スクショ共有」のショートカットを iPhone にダウンロードし、 iPhone の設定>アクセシビリティ>タッチ>背面タップ>ダブルタップまたはトリプルタップ に当てはめると良い。

あるいは、タッチ>AssistiveTouch をオンにして良ければ、その最上位メニューに入れておく。必要な部分を AssistiveTouch のボタンが隠さないように、ページ面のマージンに入りそうな下端に置いたり、可能であれば待機状態時の不透明度を下げたりすると良い。

使い方

電子書籍を開き、1つのページを開いた状態で、背面タップか AssistiveTouch によって起動する。

共有先を選ぶ画面が出る。最初に起動したとき、共有先を選ぶ画面の一番下の「アクションを編集」を開き、「ビーマイアイズで解析する」をよく使う項目の最上位に入れておくと次回以降の操作が楽になる。

共有先として「ビーマイアイズで解析する」を開く。すると解析が始まり、しばらく待つと解析結果の文章が出てくる。

この画面にはメッセージを書き込むテキストフィールドが有り、そこにさらに質問を書いて送信すると、また考えて答えてくれる。

やめるにはホーム画面に戻る。

このショートカットを Siri で呼び出すのはお勧めしない。なぜなら、 Siri が応答するときに現れる虹色の丸がページの下部を隠してしまうから。

2.2. 写真を共有

写真アプリや共有ボタンを操作せずに、写真フォルダから直接写真を1枚選んで Be My Eyes を通して OpenAI の GPT-4 に解析させ 、文章による説明を得ることを想定しているが、共有先を選ぶのは毎回手動。

このショートカットは、写真アプリや共有ボタンの操作が苦手な人が、自分で撮った写真や周囲の人にもらった写真などの説明を得ることにも使える。

また、共有先を自分宛てのパソコン用メールにすれば、共有ボタンを探す手間を省いて、 iPhone で撮った身分証明書等をパソコンに送ることができる。それをパソコン上で会社や団体あてのメールなどに添付して本文を書いて送るなどの用事を済ませることができる。

準備

iPhone に Be My Eyes をインストールし、「視覚補助が必要」なユーザーとして登録しておく。

「写真を共有」のショートカットを iPhone にダウンロードする。

Siri で起動できるが、他にも自分で起動しやすい方法を使えるように、アイコンをホーム画面に置いたり、タッチ>AssistiveTouch をオンにして良ければ、その最上位メニューに入れておくなどの工夫をする。

使い方

Siri に「写真を共有」と言うか、アイコンなどから起動する。

写真を選択する画面になる。並び方は、左上が最新の写真、そこから右へ、下の行へと、より古い写真になる。

1枚選んでタップ(Voice Over ではダブルタップまたはスプリットタップ)。

共有先を選ぶ画面が出る。最初に起動したとき、共有先を選ぶ画面の一番下の「アクションを編集」を開き、「ビーマイアイズで解析する」をよく使う項目の最上位に入れておくと次回以降の操作が楽になる。

共有先として「ビーマイアイズで解析する」を開く。すると解析が始まり、しばらく待つと解析結果の文章が出てくる。

この画面にはメッセージを書き込むテキストフィールドが有り、そこにさらに質問を書いて送信すると、また考えて答えてくれる。

やめるにはホーム画面に戻る。

3. Gemini を出しやすくする(旧情報、削除済)

iOS 用の Gemini アプリがリリースされたので、この項目は不要になり、削除した。

4. NHKラジオ らじるらじるのライブ配信を出しやすくする

NHKラジオ らじるらじるのアプリでは、再生ボタンの背景に番組紹介の画像が重なっているため、ロービジョンで VoiceOver を使わない場合に、ライブ配信の再生ボタンを操作しにくい。

NHKらじるらじるのアプリを直接操作せずに、NHKラジオ第1、NHKラジオ第2、NHK FM のライブ配信をすぐに聞けるようにする。

4.1. ラジオ第一放送

NHKらじるらじるのアプリの中の、NHKラジオ第1放送のライブ配信を開始する。

準備

iPhone に NHKラジオ らじるらじる をインストールし、通知許可・不許可の選択や利用規約への同意をしておく。

「ラジオ第一放送」のショートカットを iPhone にダウンロードする。

Siri で起動できるが、他にも自分で起動しやすい方法を使えるように、アイコンをホーム画面に置くなどの工夫をする。

使い方

Siri に「ラジオ第一放送」と言うか、アイコンなどから起動する。 初めて起動したときは、NHKラジオを開く許可を求められるので、許可する。

止め方は他のメディア停止方法と同じ。ロック画面の再生停止ボタンを使う、Siriに「止めて」「ストップ」などと言う、VoiceOverであれば二本指ダブルタップなど。

4.2. ラジオ第二放送

NHKらじるらじるのアプリの中の、NHKラジオ第2放送のライブ配信を開始する。

準備

iPhone に NHKラジオ らじるらじる をインストールし、通知許可・不許可の選択や利用規約への同意をしておく。

「ラジオ第二放送」のショートカットを iPhone にダウンロードする。

Siri で起動できるが、他にも自分で起動しやすい方法を使えるように、アイコンをホーム画面に置くなどの工夫をする。

使い方

Siri に「ラジオ第二放送」と言うか、アイコンなどから起動する。 初めて起動したときは、NHKラジオを開く許可を求められるので、許可する。

止め方は他のメディア停止方法と同じ。ロック画面の再生停止ボタンを使う、Siriに「止めて」「ストップ」などと言う、VoiceOverであれば二本指ダブルタップなど。

4.3. ラジオFM放送

NHKらじるらじるのアプリの中の、NHKラジオFM放送のライブ配信を開始する。

準備

iPhone に NHKラジオ らじるらじる をインストールし、通知許可・不許可の選択や利用規約への同意をしておく。

「ラジオFM放送」のショートカットを iPhone にダウンロードする。

Siri で起動できるが、他にも自分で起動しやすい方法を使えるように、アイコンをホーム画面に置くなどの工夫をする。

使い方

Siri に「ラジオFM放送」と言うか、アイコンなどから起動する。 初めて起動したときは、NHKラジオを開く許可を求められるので、許可する。

止め方は他のメディア停止方法と同じ。ロック画面の再生停止ボタンを使う、Siriに「止めて」「ストップ」などと言う、VoiceOverであれば二本指ダブルタップなど。

4.4. 一時停止

Siri に「止めて」「ストップ」などが伝わりにくい場合にこのショートカットを使う。機能はメディアの再生を一時停止するだけ。

準備

「一時停止」のショートカットを iPhone にダウンロードする。

使い方

Siri に「一時停止」と言う。

4.5. 再開して

Siri に「再開」などが伝わりにくい場合にこのショートカットを使う。機能は、一時停止しているメディアの再生を再開するだけ。

準備

「再開して」のショートカットを iPhone にダウンロードする。

音声出力を外部機器にする場合は、「ショートカット」アプリで「再開して」ショートカットの右上の3点マークを開いて編集画面に入り、 「iPhone」が入っている欄で他のデバイスに置き換えてから編集を完了する。

使い方

Siri に「再開して」と言う。